適切な盆栽土を使うことは重要です。土は木に栄養える役割を持ちますが、同時に、適度な排水と通気を保ち、水分を保持できることが大切になります。
多くの盆栽店(オンラインショップも含め)は混合済みの盆栽土を販売していますが、自分で土を混合すれば安価に済ませることもできますし、何より、あなたの木に合わせて混合割合を調整することができます。

土の質があなたの木の健康に大きな影響を与えます。わたしたちの経験上、盆栽が活力にかけて不健康になっている場合、その土が痩せてしまっていることが多いのです。一番良くないのは、一般的な庭土をそのまま盆栽土として利用している場合です。そういった土は乾くと硬化しやすく、木の成長に悪影響を与えてしまいます。

 

 

良い混合土の条件

  • 水持ちがよいこと
    次の水やりまでの間、水をしっかりと保ってくれる土が理想的です。

  • 水はけがよいこと
    水はけが悪いと通気不足になり、塩分も蓄積しやすくなります。水気を保ちすぎることは、根腐りの原因ともなりますので、余分の水分が排出される水はけのよい土である必要があります。

  • 通気性がよいこと
    盆栽土に使用する土は、通気性を保つ隙間を作るため、適度な粒の大きさがあるとよいでしょう。根に酸素を送り、良質のバクテリアを育てるためにも、土中の通気性が重要になります。通気性の良い土によって、小さな根もよく育ち、光合成も促進されます。

 

粒のよく整った硬質な無機土は排水がよく、鉢内の空気の入れ替えも良くなります。粒が崩れて排水の悪くなった土は根腐れなどの原因になります。

 

有機土と無機土

土には、有機または無機のいずれかが記載されていることがよくあります。泥灰や落葉、樹皮などの腐葉土は、有機土であると記載されています。また、無機土は、火山岩やカルサイト、焼き土などのミックスであることが多いです。

 

盆栽土の主成分

盆栽土を作るときに最もよく用いられるのは、赤玉土と、細かな砂利です。

盆栽用土

盆栽の土で重要となる構成要素は赤玉土、軽石、溶岩石、有機培養土、砂利などです。

 

赤玉土は、関東ローム層の赤土を粒の大きさごとに選別したもので、吸湿・保水性に優れた褐色の火山灰土です。赤玉土は崩れやすいので、2年ほど使用した土は潰れてしまい、通気性を悪くしてしまいます。それに注意して適切に植え替えを行ってください。外国では赤玉土は比較的高価な土ですので、手に入れやすい焼き土を赤玉土のかわりに利用していることも多いようです。また、猫用のトイレ砂も赤玉の代替として使われることがあるようです。あなたの国で入手しやすい土を使ってみてください。私達の盆栽フォーラムでも土が紹介されていますので、参考にしてください。

軽石(パミス)は、火山噴出物で水や養分を良く吸収します。盆栽用土に混ぜ込んだ場合は水持ちを助け、根の分岐を促します。

溶岩石は、水持ちを良くし、根は溶岩石の中には成長せず根別れの点などで用土の構成にも良いものの一つです。

 

 

盆栽用土

樹種によって用土も異なりますので、最適な用土や混合を盆栽樹種ガイドで確認して下さい。
落葉樹、または針葉樹に対する基本の混合は、赤玉(基本用土、保水)、軽石(基本、団粒構造)、溶岩石(通気、排水、団粒構造)です。

混合の割合は各々の条件によって工夫することも考慮してみて下さい。水やりのチェックがあまり出来ない場合などは、水持ちを良くする為に赤玉を追加するなどしてください。また、例えば湿潤な地域などでは、排水を高める混合として、溶岩石の割合を高くするなどしてください。

 

落葉樹用盆栽用土

50% 赤玉土

25% 軽石

25% 溶岩石

針葉樹用盆栽用土

33% 赤玉土

33% 軽石

33% 溶岩石