梅は桜と同じく日本人にとって思い入れが深く人々に親しまれてきました。 凛としたその花姿は盆栽としても非常に味わい深いものがあります。
様々な品種の存在する梅ですが盆栽として最も代表的な品種が原種に近い野梅の仲間です。そこから派生した緋梅や
その他、咲き分けの『思いの儘』なども人気があります。
梅の手入れ
置き場
半日陰などの環境でも育ちますが、花芽の形成のためにも日当り風通しの良い場所に置くことが基本です。
古い樹や弱っている樹は厳冬期には霜と風から守ってあげるほうが良いでしょう。
水やり
基本的に水を好む樹種と言えるでしょう。成長期には水切れに注意し、水やりの基本
『表面が乾いて来たら鉢底から水が抜けるぐらいたっぷりと』が理想です。
花芽の形成の時期、7月から9月にかけて水を少し切り気味にすることで花芽を付けさせることなども
ありますが、水切れには注意が必要です。
施肥
梅は休眠期間の短い樹種と言えます。花期が終わったら施肥を開始します。その後春の植え替えをした場合は
植え替え後2週間ほどしてから施肥を開始するようにしましょう。梅雨から夏の間は肥料を与えませが週に1度程
薄い液肥を与えるのも良いでしょう。9月に入ってから10月の終わりまで肥料を与えます。
肥料は芽出し、枝の充実、花芽の形成、開花など様々なものに必要ですのでしっかりと与えます。
剪定と針金掛け
春から樹勢のある枝の若い樹は勢い良くたくさんの枝が伸びだします。こういった枝の伸びる樹は5月中旬の
葉がある程度葉がしっかりとした頃に葉刈りをして枝を樹形構想に応じて針金掛けで枝を伏せ、芽を2、3節に
切り枝作りをすることができます。古い樹などあまり枝の伸びださない樹は徒長する枝を2、3節で止めて
おくだけで良いでしょう。また枝の良くほぐれた樹に対しては新梢の基部にあるスソ葉を刈って内側の枝の
日照条件を良くしてあげることも必要でしょう。そのスソ葉を強い枝は3枚~弱い芽は
1枚、もしくは刈らないなど、枝のバランス調整も考えて行えればベストです。また基部の葉を刈ることで
そこに葉芽を持つ確率が高くなります。枝の基部に葉芽を持ちその上に花芽を持ち、花後に葉芽まで
切り戻すことができれば理想的です。
落葉後には花芽の位置を確認しながら花姿のための整える剪定をしても良いでしょう。そして花後によく葉芽を
確認して剪定し、できるだけ間延びを防ぎます。
植え替え
植え替えは花後の3月頃が適期です。根は若木であれば半分程度まで切り込むことも可能でしょう。
ただし古い樹は台土を残し根の強い切り込みは避け3分の1程度にしておきましょう。
繁殖
接ぎ木、挿し木で殖やすことができます。
詳細については、盆栽の手入れのペ ージをご参照ください。