種から盆栽を作っていく方法は、初期段階から育成をコントロールでき、とてもやりがいのあるものです。時間のかかる作業ではありますが、一から盆栽を育てることのできる唯一の方法です。

 

 

盆栽用の種といっても特別なものではありませんので、雑木などは周囲の木から種を集めて育ててもよいですし、盆栽店や園芸店で種を購入するのもよいでしょう。
手近な森林などから種を集めた場合は、秋口が種まきに一番よいシーズンでしょう。集めた種を別の気候の土地に持ち込んで植える場合や、種まきシーズン以外の時期に育て始める場合は、種子処理が必要になります。種子処理とは、種をいったん冬越えの状態に置いて発芽を促す、種まきの前処理のことですが、初心者には少し難しいかもしれませんので、まずは自然環境と同じ時期に合わせて秋まきすることをおすすめします。

 

種の入手方法

前述したように、住んでいる地域の森林や公園で、種を集めることができます。雑木の種子は、森の中で容易に見つけることができます。また、針葉樹の種子も、松ぼっくりなどから採ることができます。松ぼっくりを拾って暖かい場所に保管しておくと松かさが開いてきますので、その間にある種を取り出してください。
また、さまざまな種が盆栽店や園芸店で購入することができます。

 

時期

種まきの時期は、自然環境と同じで、秋が一番適しているでしょう。夏から秋にかけて栄養を蓄えた種が、春先に発芽する形にするのが一番簡単で、種子処理する必要もありません。

 

苗から盆栽をつくる

苗づくりに成功したら、次のステップは形の整った盆栽としての成形です。根気のいる仕事ですが、山採りの木や購入した苗にありがちな、太い幹の剪定や、成形のやり直しなどの必要がなく、思うままにスタイリングできる理想的な方法です。

針金かけや剪定などについては、「盆栽のスタイル」を参照してください。
下記の6枚の写真は、実生から育成した杉の15年間の様子です。

 

1年後

1年目

3年後

2年目

3年後

3年目

実生の杉盆栽

4年目

実生の杉盆栽

10年目の杉

実生の杉盆栽

17年の杉盆栽