クチナシは、深緑の葉に特徴的な香りのクリーム色の花を咲かせる、亜熱帯常緑低木です。受粉に成功するとオレンジ色の実をみることができます。
クチナシは、樹の健康を保って大きく育てることが必ずしも容易ではなく、少し敏感な植物と言えるかもしれません。クチナシはアジアと南アフリカの熱帯地域に自生する、温帯気候の国々では庭の木としてもポピュラーな植物です。暖かい気候を好むため霜には弱く、濃い緑色の葉は艶々としています。 夏に開くクリーム色の花は、一重のもの、八重のものがあります。受粉すればオレンジ色の実が育ちます。クチナシの実は楕円形で、根本から実の先端まで6本の筋が通り、頂点に小さな6つの突起がつきます。クチナシは振動や衝撃に弱く、触れたり移動させたりする際に葉が落ちることもあります。可能であれば、クチナシに向いた場所に設置して、その後はあまり動かさないようにすることをおすすめします。花びらは弱くすぐに茶色く変色してしまうので、あまり触らないようにしましょう。樹について調べたいときは、盆栽樹種ガイドをご参照ください。
クチナシ盆栽の具体的な手入れガイド
置き場: クチナシは風通しがよく暖かい場所に置くのが適していますが、強い直射日光は必要ありません。理想的な温度は16℃から23℃(60F°から75F°)程度です。冬でも15℃(59F°)以下になることは避けたほうがよいでしょう。冬に換気のために窓を開ける場合でも、クチナシが寒風にさらされないよう気を付けてください。
水やり: クチナシはツツジと同じように酸性の水を好む植物ですので、水やりには雨水を用いるのもよいでしょう。土に湿度を保つことは大切ですが、水のやりすぎには注意してください。鉢を屋内に置いている場合は、湿度を保つためにこまめに水をスプレーするのも良いと思います。
施肥: 春から秋までは二週間ごとに、冬には月一回程度、好酸植物用の液体肥料を与えてください。クチナシはクロロフィル不足による白化が起こりやすいので、対策用の追加肥料も検討してください。
剪定と針金かけ: クチナシの剪定は開花後に行ってください。実が成っていない場合は、枯れた花を取り除きます。剪定をして針金をかけるのは、植物が柔軟な5月から6月が良いでしょう。
植替え: 植替えの時期は2年から3年に一度程度、春の間に軽く根の整理をして植替えを行ってください。ツツジなどに向いている酸性の土を使用してください。鹿沼土などがよいでしょう。
繁殖: クチナシは、水につけて根を出させることが容易で、挿し木に向いています。
害虫や病気: アブラムシ、カイガラムシなどはクチナシの葉や根を好み、生長に悪影響を与えたり、スス病の原因ともなります。発生してしまった場合は、専用の殺虫剤を使用してください。
詳細については、盆栽の手入れのペ ージをご参照ください。