多くの人がオンラインショップを含む店舗で樹を購入し、盆栽を始めます。それは間違いなく良い方法ですが、自分で学び、樹を育て成形することも安価でおもしろいと言えるでしょう。

盆栽の育て方

盆栽といえば、盆栽店(またはオンラインショップ)から購入したものを鑑賞する人も多いと思います。まず盆栽を始めるにあたっては手軽で良い方法ですが、盆栽作りを安価に、そしてもっと楽しむには、自分で一から盆栽を作っていくことをおすすめします。盆栽は確かに何世紀にも渡って洗練されてきた芸術ではありますが、それに怖じ気づいてはいけません。特別な園芸の才能がなくても、盆栽作りを学ぶことはできるのですから。あなたの環境に合った樹種をえらび、基本的な手入れ方法を守って、盆栽作りを楽しんでください。

ここでは、どうやって盆栽作りを始めればよいかを、栽培・成形・手入れの3つのパートに分けて説明していきます。
まず、上記の動画で盆栽の基礎を紹介していますので、ご覧ください。

 

 

木を育てる

まずは盆栽として作っていく木を選びましょう。素材(剪定して針金をかけるための)を購入してもよいですし、一から栽培してもよいでしょう。大切なのは、あなたが盆栽を育てようとする環境に合った樹種を選ぶことです。室内で育てていくのか、庭で育てるのかによっても樹種は異なってきます。たとえば室内で育てるのであれば、屋内でも生育しやすい熱帯の樹種が向いているでしょうし、屋外であれば、強烈な日光や凍結するような寒さを防ぎさえすれば良く育ってくれる、熱帯系以外の樹種を選ぶのがよいでしょう。
無難なところでいうと、風土に適した土着の木を選ぶことです。
これらに注意すれば、あなたの希望に合った木が決まってくるのではないでしょうか。

 

さて、樹種が決まってきたら、実際に木を手に入れましょう。
盆栽店からある程度形の出来上がったものを購入するのが、一つの方法です。樹種が豊富なだけでなく、形やサイズも様々ある中から選ぶことができるのが利点ですが、金額は少し高くなってしまいます。
盆栽に仕立てていけるような素材を購入するのも、比較的早い段階で自分の思う形を作ることができて良いと思います。山採りの木を購入するという方法もありますが、本来は採取許可が必要なことですので容易ではありません。
初心者のための盆栽スタートキットなども販売されていますので、まずはそういったもので盆栽づくりの基礎を学ぶのも良いかもしれません。

少し時間はかかりますが、安価に盆栽を作るには、種や挿し木を利用して一から木を育てていく方法もあります。
とはいえ、盆栽として作り始められる状態になるは3~5年ほどかかりますので、他の盆栽で技術を磨きながら、生育を待ちましょう。

盆栽の栽培についてはこちらです

Bonsai

ウォルター・ポールによるカエデの盆栽。私たちの盆栽ギャラリーで更に画像を見ることが出来ます。

 

盆栽のスタイリング

あなたが今、購入したもしくは木を育てている状態にあるとします。時間が木を育成し、あなたはそれを管理、成形し始めます。これは木を成長させるという意味だけでなく、盆栽としての創造的な部分です。盆栽を維持するための剪定や針金掛けのような技術は専門的には難しい部分もありますが、いくつかの基本は非常に簡単に学ぶことができます。まず、剪定や針金掛けの基本をおぼえていき、これらの詳細については、「作例」の項を読んで確認してください。

盆栽は競争ではなく、また終着点もない永遠の旅なのです。

まず、盆栽づくりで最も重要な技術の一つ、剪定の説明から始めましょう。剪定は盆栽の形作りのためだけではなく、盆栽のサイズを維持するためにも不可欠な作業です。できるだけ自然、理想の姿に近づけることを目標の一つとしましょう。
春と夏は大胆な剪定を行うのに適した季節です(樹種によっても異なります)。太い幹に手を入れる際には、できるだけ切れ味のいい又枝切りを使用することで、木への負担を軽減することができます。
実際にあなたの木を見ないことには、どの枝を剪定するべきかを決めることは困難ですので、剪定の進行について、一例をあげておきたいと思います。
枝を剪定する条件としては、

  • 同じ高さにあるときには、そのうち一本を除く
  • 不自然にねじれていたり曲がっていたりする枝を除く
  • 上部から、バランスが不釣り合いな太い枝を除く

 

また、剪定のほかに、盆栽を形作る技術として針金かけがあります。
アルミ線または銅線を枝に巻きつけていき、力を加えて曲げていくことによって、枝を好みの姿へ形作ることができます。針金は一年中かけておいて構いませんが、木の成長に従って針金が枝に食い込んできますので、そうなる前に外してかけなおすようにしてください。
詳しくは、トレーニングセクションの針金かけの部分を参照してください。

 

ケアとメンテナンス

盆栽の育て方を知るうえでまず必要になる情報は、その管理とケアについてではないでしょうか。もちろん、それぞれの樹種について、それぞれに必要なケアがありますが、ここでは最も基本的な管理である、水やりから説明を始めましょう。

どのくらいの頻度で盆栽に水やりをするかは、木の大きさ、鉢の大きさ、使っている土や気温など、さまざまな要因によって変わってきます。水のやり過ぎは根腐りを起こしやすく、盆栽が枯れてしまう原因ともなります。とはいえ鉢植えの植物である盆栽の土は容易に乾いてしまいますので注意が必要です。正しい土の混合と、定期的な植え替えが、木を健康に保つポイントです。植え替えは、平均して二年に一度、水揚げと水持ちが悪くなる根詰まりの状態にならないように行います。
最も大切なのは、単に一日に一度の水やりだけで過ごすのではなく、土の乾き具合を頻繁にチェックすることです。水やりをするときには、土の吸水をよく観察してください。

水やりと植え替え以外に気を配るべきなのは、施肥でしょう。
小さな鉢の中で生育している状態のため、木の成長期にあわせて定期的に施肥することは、盆栽を健康に保つための鍵となります。どれぐらいの頻度や量で施肥するかは、樹種や木のサイズによっても異なります。肥料のブランドや種類はあまり問題ではありませんが、一般的な観葉植物などへの施肥よりは少な目にすることがポイントです。

最後に、屋外で育てられるべき樹種を屋内で育てること(またはその逆)は、確実に枯らせてしまうことになるでしょう。購入する際に置かれていた場所は参考になるかもしれません。亜熱帯の木々は、一般的に多くの光と比較的高い温度を必要としますが、暖かい気候の地域で育てられる場合のみ、屋外で管理することができます。逆に言うと保護という面から寒い地域では屋内に置く観葉植物として屋内に置くことができるとも言えます。基本的に屋外で管理するにはその地域に生息する樹種を選択することが最善と言えます。しかし、盆栽は非常に小さな鉢で育てられている場合が多いので冬期保護を必要とする場合があります。

特定の樹種に関する詳しい手入れ法はこちらです。

 

 

まとめ

このイントロダクションでは、盆栽を育てるために必要な3つの要素について述べました。栽培と、手入れと、管理です。
盆栽は確かに何世紀も歴史のあるアートではありますが、この魅惑的な趣味を始めるのは、それほど難しいことではありません。手入れ方法を学んだり、盆栽フォーラムから質問してアドバイスを受けたりと、このサイトを大いに活用してください。また、地元の盆栽クラブで教室やワークショップが開かれていれば、ぜひ参加してみてください。一緒に盆栽を楽しみましょう。

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