残念ながら、私たちのサイトのフォーラムには、瀕死の盆栽を助けてほしいという声が頻繁に寄せられます。そこで、瀕死の盆栽をどう扱うかというガイドを作成することにしました。盆栽を救うためのヒントにしてください。

 

がっかりさせたくはないのですが、樹は基本的に樹齢を重ねたせいで枯れることはないので、あなたが少し世話を失敗してしまった可能性があります。盆栽の手入れはそれほど難しくないのですが、新しく盆栽を購入した人が、適切な手入れを知らないまま世話をして短期間で枯らしてしまうことがあるのもまた事実です。


まず、盆栽の手入れについて、下記に基本的なことをご紹介しようと思います。

 

ステップ1 樹種を特定する

まず第一に、あなたの盆栽の樹種について知りましょう。樹種によっては世話の仕方が全く違う可能性がありますし、樹種に合わない手入れは盆栽を弱らせることにもつながります。もし、お持ちの盆栽の種類がわからない場合は、「樹種」の項目を参照してください。もっとも一般的と思われる盆栽を購入した場合、それはビャクシン属、松、カエデなどである可能性が高いと思いますので、それらをまず確認してみてください。

 

ビャクシン属盆栽の一般的なサイズと形の例

ビャクシン属盆栽の一般的なサイズと形の例

ファイカス盆栽(イチジク属)

ファイカス盆栽(イチジク属)

 

ステップ2 盆栽の具体的な手入れを学ぶ

盆栽の樹種を特定したら、「手入れ」の項目を参照して正しい盆栽の手入れを学びましょう。ファイカス(イチジク属)やビャクシン属などの例がありますので、樹の写真をクリックして内容を確認してください。水分や肥料を適切な方法で与え、樹種に合った日照条件の場所に置いて世話をしていくと、弱った盆栽も回復していくと思います。

 

ステップ3 よくある手入れの間違い

盆栽を弱らせてしまった原因は何だったのでしょうか。

ケース1. 水切れ

盆栽の鉢は比較的小さいので、水分や養分を蓄える余裕があまりありません。水やりを忘れて土が完全に乾いてしまうと、根がすぐに乾いて樹が枯れてしまいます。もし葉が落ちるような状態になっていると、その多くは水切れによって根が枯れはじめています。常緑樹の場合は、葉がゆっくりと黄色に変わっていきます。根が完全に乾いて枯れてしまうと、もうその盆栽を救うことは非常に難しいですが、もしまだ間に合う場合は、しっかり水を与えて観察を続けることで救うことができるかもしれません。盆栽に必要な水量は樹種によって異なりますし、使用した盆栽用土によっても左右されます。また、購入した盆栽が水持ちのために通常とは異なる土が使用されている場合もあります。弱った盆栽が強さを取り戻したら、土をチェックして、適切な用土で植替えを行うとよいでしょう。盆栽の水やりと植え替えについてさらに学んでみてください。

 

ケース2.置き場所の間違い

たとえば真柏盆栽は初心者におすすめできる樹種の一つですが、もし屋内に置くなどして日照が足りなかった場合、葉が黄色くなってゆっくりと枯れていきます。それぞれの樹に合った場所、湿度、日照などがありますので、それに沿って手入れをしてください。屋内盆栽と屋外盆栽の手入れについてさらに学んでみてください。

 

ケース3.水のやりすぎ

盆栽用土として腐葉土などを多く使った場合、水分の保持力は高くなるのですが、排水性に欠けることが問題になります。土壌が濡れたままになると、やがて根が腐ってしまう可能性があります。水切れもよくありませんが、水のやりすぎもまた、盆栽にとっては大きなダメージとなってしまうのです。盆栽の水やりについてさらに学んでみてください。

 

ケース4.日照不足

ほとんどファイカスなどの屋内盆栽は、もともと亜熱帯で育つ植物です。冷気や乾燥に弱いため屋内に配置するのですが、同時に十分な自然光も必要としています。日照不足にならないためには、南向きの窓側に盆栽を置くことをおすすめします。盆栽の置き場についてさらに学んでみてください。

 

ケース5.手入れのしすぎ

初心者は、つい盆栽をさわりすぎてしまう傾向があります。必要以上の剪定や針金掛けを行ってしまうと、樹はその変化に耐えられず、弱ってしまう原因ともなります。植替えや大きな剪定など、盆栽を痛める可能性のある変更は、多くても年に1度、適切な季節に行うようにしましょう。そして、それ以外の時期は、水やりや施肥などを確実にして、木の手入れを行っていってください。

 

ステップ4 上記内容に当てはまらない場合

適切な手入れをしていても、盆栽が弱ってしまうことがあります。その場合、害虫が発生している可能性を考えてください。葉や幹に何かの虫がついていないことを確認してください。見つからない場合は土の中も確認しておきたいので、可能であれば慎重に鉢から取り出して根の部分を中心に虫がいないかどうかをチェックしてください。

 

 

ステップ5 盆栽を救えるとしたら

残念ながら、すでに弱った盆栽を救済できる可能性は高くありません。あなたができることは、改善できる部分は改善し、その後は適切な手入れを淡々と行い、忍耐強く待つことしかありませんが、うまくいけば、あなたの樹はまた健康な状態に戻るでしょう。

 

ステップ6 長い目で見よう

盆栽は本当に楽しい趣味なので、この世界に参加した初心者が盆栽を育てられなくてがっかりしてしまうのは、私たちにとってもとても残念なことです。繰り返しになりますが、盆栽の手入れはそれほど難しいことではありません。大切なのは、樹種に合った手入れを丁寧にすることです。ぜひ、引き続き学び、盆栽を楽しんでください!